第39回朝日陶芸展から(上)
グランプリ亀井洋一郎 ねばり強く構造実体化
今年の応募588点から選ばれた入賞・入選作品は119点。まず最初に目についたのは「若さ」であった。
グランプリの亀井洋一郎は27歳。型作りした格子を、白磁の立方体に組み上げて作品化した。「うつわ」か「オブジェ」か、という二者択一の呪縛から離れ、論理的な構造だけを、ねばり強い手仕事で鮮やかに実体化している。
タイトルや自ら記した制作意図の中で、この作品が物質化された格子構造であると、さりげなく告げているのみ。こうしたありようも、作品の新鮮な印象を強めている。
従来の出品作によく見られた視覚的インパクトをねらった大作や組作品は、瞬くうちに新鮮さを失った。陶芸が陶芸でありつつ新たに生き続けるための試みが、展覧会入選の戦略と重なるとき、作り手・受け手双方に安易な妥協を強いることもあったように思う。
亀井はそんな状況の頭上に、予期せぬ方向から、跳躍することに成功した。この着地点はいったいどこなのだろうか。
山田敦雄(目黒区美術館学芸員)